先日コーヒーミルの粒度を検証するための機材をアップグレードしました。
検証を定量化でき、JIS規格に基づいた精度の高い検証が可能になっています。
しかし便利な反面、正確な数値を得るための検証も必要です。
今回は、粒度検証に関するアプローチ方法や具体的な検証を紹介します。
使用機材について
使用機材はアズワン「MVS-1N」
水平回転式で1000〜2500rpmの速度調節が可能。
調整可能とはいえ、ダイヤルは無段階で1000か2500以外では何rpmか確認できません。
また、1000rpmでは何分稼働させてもコーヒー粉が落ちないため、使用する場合は2500rpm一択です。
検証するべき事項について
機材を用いて定量的な検証をするために、下記事項を満たす事を目標とします。
- 機材の負荷が少ない
- 精度の高い検証数値が得られる
要するに「少ない工程で精度の高い検証ができる」事が理想です。
そのために「同じ挽き目・同じ豆」のコーヒー粉を使用し、下記条件を変更して数値の確認を行いました。
- 使用する篩の段数
- 振動を与える時間
- タッピングボールの数
篩の段数について
篩の段数が多いと、その分振動が上手く伝わらない傾向があります。
今回の機材の場合、3段目(1・2段は受け皿と固定皿)の振動が最も大きく、7段目の振動は最も小さいです。
実際に篩を5つ用いた場合の検証結果は、残念ながら論外でした。
検証の傾向として、段数に関わらず最上段は強く固定される事で振動が抑制される事も判明しました。
そのため、検証では「3段+2」のように篩としては3段のみ使用し、残り2段はネジ用の固定具として重ねる方法も検証しています。
振動を与える時間について
振動時間が多いほどモーターには負荷がかかります。
8つの篩で60秒ずつ振動を与えれば精度の高いデータを得られますが、全部で480秒かかります。
可能な限り連続して検証を行いたいので、より短時間な方が好ましいでしょう。
故に、1つずつ篩を振動させた場合と同程度の成果を得られる検証方法を見つけることが目標です。
タッピングボールの数について
篩の目詰まり防止のために、タッピングボールを使用します。
今回の検証では、タッピングボール一個(2g)を篩一つ一つに入れる方法を標準としました。
加えてタッピングボールの個数で成果が変わる可能性を考慮し、大・小の2種を用意して検証します。
「T2」がタッピングボール大を2個使用した成果、「T5」はタッピングボール小を5個使用した成果。
検証結果
結果は図の通りとなりました。
今回の検証で、1段ずつ篩にかけた成果と近いものを緑でマーキングしています。
やはり最上段の固定用に篩を用いた検証で望んだ成果を得られました。
一方、2段で120秒振動させた検証も近い成果でしたが、モーターへの負荷が強いため候補からは除外しています。
他にも、タッピングボールを複数用いた篩は思った成果を得られませんでした。
大2つは重量超過で振動が抑制され、小は質量が小さく効果を発揮できなかった可能性があります。
以上の事から、3段〜4段の篩を用いた検証が適切である事がわかりました。
次回は同一のコーヒーミルを用いて、今回候補となった各検証方法の精度をチェックします。
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